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タイトルなし

テレビをつける。ホストクラブでは無数の札が舞う中、次々とあけられる高級酒に酔いしれる人々が写しだされている。不景気…まぁそれもテレビで聞いた言葉か。真実の愛をみつけるためと一つのワゴンに乗り旅をしている若者もいる。どこかの国では戦争が起き、お互いを何も知らない人々が理由もわからず殺しあっている。また違う国では飢えに苦しむ子供達が毎日数えきれないくらい、生きたいという気持ちとは裏腹に無慈悲に命を奪われている。なんだこれは…
テレビを消す。無音の室内。真っ黒なテレビ画面。その暗闇に写しだされるもう一人の自分。そいつがそっと囁く「こっちにこい」と。
ここには無数に舞う札も真実の愛も拳銃も飢えもない。あるのはゆっくりと時を刻む時計の音と、それに合わせて過ぎ去る平和すぎる日常。
だから私は自分の眼に映るものしか信じない。絶望の闇から光を守るために
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タイトルなし

今日もその時間が近づいてきた。僕は漆黒の闇の中で震えている。胸の奥深くに眠っていた黒い醜い動物がもぞりと身動きをする。「またか…」そいつの足音が徐々にこちらに近づいてくる。息を押し殺す。足元がやむ。脳を突き刺すような静寂が僕をおそう。全身が金縛りにあったように動くことができない。気がつくとそいつに僕は首根っこを掴まれていた。「だめか…」しだいに薄れていく意識。体の感覚もなくなっていく。最後の力を振り絞りかすれる声で「助けて」と…もうすでに自分にもその声は聞こえていなかった。
目が覚めるとそれはもう僕ではなかった。
今日もまた長い夜がはじまりをつげた。

タイトルなし

一本道を歩いている。ただ真っ直ぐに伸びる道。その上をひたすら歩いている。何処まで続くのかわからない。ただ何処までも歩いて行く。
終わりには何がまっているのだろう。
そう思った瞬間、全身の筋肉が硬直し足が前にでなくなった。目の前が真っ暗になる。自分の心臓の音だけが妙にハッキリと頭の中で鳴り響いている。終わりまで着い時、はたしてそこには何かあるのか、何もないのか…。そこに立ち尽くすのか、来た道を引き返すのか。多分全てを知ってしまったら引き返すことはできないだろう。その時はもう歩くことができなくなる。だったら何も知らずに歩いている方が楽しいかもしれない。落ちているガムを踏むことや、他人と肩がぶつかることだってある。でもきっとスキップしたくなるような日だってあるはずだ。目の前に道があるなら。
何もないより、何かあった方が人生は楽しい。
と、聞いたことがある。
う~ん。なかなかそうは思えない。

タイトルなし

突然の雨に一つため息をつき、小走りで家に向かう。しだいに強くなる雨脚。ここまできたのならという思いもあったが、急ぐ必要もないかと足を止めてほんの少しの雨宿り。いつもと変わらない帰り道なのに、改めて見てみると今まで気付かなかったものばかり。雨を忘れてしばし見とれてしまう。どれくらい時間がたったのだろう。気がつくと雨はあがっていた。…自分の顔が少し緩んでいるのに気付く。「さあ行くか」一つ掛け声をかけ、濡れた地面に足を踏み出す。湿った空気があたりに漂っている。雨の臭いがする。いつもよりも少しゆっくりと家に向かう。
毎日同じようで、同じでない毎日。
立ち止まるのも悪くない

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