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ネクタイを緩めて



『あくる日』
高校の友達が結婚をする。
その二次会の司会を頼まれる。
司会なんかやったことないが、大丈夫か俺…。

『当日二日前』
二次会の場所と時間のメールがくる。
打ち合わせゼロ。
嫁さんの名前も知らないが、大丈夫か俺…。

『前日』
事務所よりオーディションの話がくる。
オーディション日は翌日=二次会当日。
オーディション15時。
結婚式二次会16時30分開場。
大丈夫…というか、間に合うのか俺…。

『当日』
15時40分オーディションが終わりダッシュで会場に向かう。
駅に向かう道すがら一件のコンビニを見つける。
あっ魔がさす俺。

急がなければならないのはわかっている。
ただ、まだ間に合わないこともない。
少し前に来て打ち合わせすると言っていたが、流れなどの台本をは用意してあると言っていたので簡単に目を通して読めばなんとかなるだろう。
よし、大丈夫だ俺。

コンビニにてスーパードライ2缶を購入。
もやもやした気持ちを晴らすべく、飲む。
あせりは禁物だ。
昼間に飲むビールはなんでこんなにうまいんだろう。
2缶目のプルトップに指をかけながら上機嫌で時計を見る。マズイ…。
大丈夫じゃない俺。

『16時20分』
会場到着。
なんとか間に合った。
ソッコーで音響を担当する女の子と打ち合わせをする。

渡される台本。
ん?ん?ん?
三枚の紙にぽつぽつと書かれた文字。
え?え?なにこれ?
「あっこれ台本です」
あっ!そうだよね~。台本って普通書いてあるのはキッカケだけだよね~。
って、ちょいちょーい!
そんなわけあるかーい!

え?セリフは?俺が読むものは?
彼女が笑顔で言う。
「時間とキッカケだけ書いてあるんで、あとはアドリブでガンガンやって頂いてかまわないんで」
おいおいおい簡単に言ってくれるじゃねぇかこのねーちゃん。
俺は言ってねぇぞアドリブやらしてくれなんて。
それができたら私役者としてもう少し売れてますからね。
「わかりました」
私の口はそう答えてましたけど…。

『16時30分、開場』
続々と集まってくる人々を尻目に、何気なく携帯で見た、[結婚式二次会台本マニュアル]を必死で思い出す。
危なかった。念のために見ておいて正解だった。
ただ、その後に検索したワードがよくなかった。
[堀北真希]
ヤバーイ!!堀北真希ちゃんの可愛い過ぎる画像のことしか覚えていない!
馬鹿俺。
なぜこんな時に検索してしまったんだ…。

刻一刻と過ぎる時間。

残念なことに、私はこういう場で使う言葉とルールを知らない。

『終了』という言葉は使わずに『お開き』を使えと、友達に教えられた唯一の武器を手にいざ二次会の司会に挑む。

『17時、二次会スタート』
まずは挨拶と自己紹介。
二言目に早速噛むがうまくごまかす。
順調だ。
「新郎新婦ご入場です!」
言ってみたものの、いっこうに入ってくる気配なし。
なんで??
そこですかさずねーちゃんご要望のアドリブを差し込む。

[無反応]

コラコラコラコラー!!
くじけず喋り続ける。

[若干の反応]

それそれーぃ!!
登場する本日の主役。
クラッカーが炸裂。
鳴り響く拍手の音。歓声。
うん。なんかいいじゃん。


終わってみればあっという間の2時間。
毎度のことながらテンションと勢いで乗り切った。
まぁビンゴ大会で声からしましたけどね。
その分盛り上がったしいいんじゃない。
あと『終了』って言葉は何回か使ったけどね。多分。
許せ友よ。

みんな酔っ払ってたし、楽しそうだったし、大盛り上がりで成功成功。
ただ一つだけ気になったのが、終わった後嫁さんが一切俺と目を合わそうとしなかったことね。

うん…。なんとなくわかるけど。やり過ぎたのかな…?
嫁はたいてーしっかりしてるから。旦那がグズグズで酔っ払ってる分ね。

愛すべき友と、しっかり者の奥さん、心より結婚おめでとう。
お幸せに。


さてさて仕事を終えたらもちろん三次会へ。
高校卒業以来会う友達や、たまに飲む仲間やなんやかんや。
「まだ売れんのか」「この前テレビで見たぞ」「でかくなったか?」
と、遠慮なくすき放題言ってくる彼らが好きだ。
嘘がない空間は珍しい。
てか、ちっとは心配してくれ。

時間はあの頃のまま。
止まっている。
だから今日ぐらいは少しネクタイを緩めて。

滅多に会うことがなくなった高校で出会い、いつの間にか大人になった男達。
うんうん。スーツも似合うようになったがな。


さて、次会うのはこの中の誰かがまた結婚する時かな。
どうなのよ君達?
手が挙がる気配なし。
情けない。よしっ。ならここは俺が。
右手を高らかと突き上げる。
結婚……。
「すみませーん。お姉さん、生ビール八つ!!」
まぁ当分なさそうなんで、
今日はちょっと飲み過ぎてみますか。


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『ネコ騙し辞典~あ:憧れ』

私が個人的に各劇団員に憧れているところ

『西永氏』帽子のかぶり方

『秋枝氏』話力

『井澤氏』ユーモアのセンス

『佐々木氏』ふわふわしてる感じ

『ムランティン・タランティーノ氏』生き方

『小島氏』若さと顔

『ヴィン氏』食パンの多様な活用法


私が個人的に各劇団員に憧れていないところ

『西永氏』居酒屋に行くと小学生バリのネギ嫌いを発揮するところ

『秋枝氏』規格外の適当さ

『井澤氏』仏のような考え方

『佐々木氏』猛烈な勢いで衰える記憶力

『ムランティン・タランティーノ氏』力加減のできないツッコミという名の平手打ち

『小島氏』キャラ

『ヴィン氏』エアーたばこ


誠に申し訳ありませんが、個人的な意見や苦情は一切受け付けておりません。

昔話を付け加えながら書きつづると、必然的に文章は長くなる。


オーディションに行ったら顔見知りがいるとか、のっぽの痩せがくさるほどいるなんてのは日常茶飯事だが、これだけ知り合いが多いオーディションも珍しい。
控室は、どこかの劇場の楽屋と化している。

ちなみに数年前GAPのCMオーディションを受けた時は、武器である自分の大きさを初めて呪った。
GAP…でかいから呼ばれたけど。
顔が違うだけで人ってこんなに変わるんだね。
でかくて、体型がよくて、ありとあらゆるジャンルの男前がわんさかいたよ。
俺…なんでここにいるの?みたいな。
「刺身のツマが好きなんだよね」なんて言う奴は、確実にその前に極上の刺身を食っから言っている。
乾杯直後にツマ食ってみ。そんなもんただの大根だから。
そりゃ相手役の女の子も苦笑いですよ。刺身食わせろってかばかやろ。

この話を友達にしたら「堺沢君は韓国行ったらモテる顔してるよ」と言われたが一つも嬉しくなかった。
ほっとけばかやろう。
お前をインドでモテる顔にしてやろうか。
インドの方々ごめんなさい。


そして本日のオーディション。
顔見知りに会うとホッとはするが全員敵でもあることもお忘れなく。
監督に、誰か一人だけ合格にしてあげるよと、もし言われた時「僕お願いします」と一歩前に出る勇気はあるんだろうか。多分ない。
そこで一歩出れる奴が、個人的に僕は好きだ。
そういう奴には道端に転がっている石だってチャンスにみえるはず。

「ダックスープからきました堺沢隆史、30歳です。宜しくお願いします。」
簡単な自己紹介。
以前はダックスープという時に5回に1回は噛み倒していたが、今は7回に1回になった。成長だ。

基本的に私は……口がまわらない。

以前映画20世紀少年の撮影で『運命の子!』というセリフを『え?どん兵衛のもと?』と聞き返されたことがあった。
アホかお前の耳は。


四人一組で行うオーディションを終え、四人一組で居酒屋へ。

オーディションの後は酒がうまい。
四人で受かったらいいね、なんて話す。
本当にそうだ。
この四人が受かったら死ぬほど楽しいはず。
夢のような話。
一緒に戦ったからこそ話せる夢の話。
たまには話したい。
夢を。
『どうせ駄目だ』という言葉をアルコールでぼやけさせ。


人生とアルバイトを共にする劇団員秋枝(写真左)。
竹をこよなく愛し和柄争いを熾烈に繰り返す男、岸潤一郎(写真真ん中)。
そして元美容師店長という恐ろしい肩書を持つ永遠のベビーフェイス、福田高徳(撮影)。

ヤベェ。このパーティー最強じゃね?
ただ…勇者がいねぇ…

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