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『ネコ騙し辞典~き:金 曜日』

『透明感のある人間』日々進む稽古。

出来上がった台本は読むだけで笑い声をあげてしまうくらい面白い。
作・演出ブルースカイ氏の力、恐るべし。

そしてその台本をオリジナリティ豊かに料理する個性的な役者陣。
恐るべし中年パワー。

みんなに遅れをとらないように必死についていく毎日です。


くだらなくて馬鹿馬鹿しくて、ちょっぴりナンセンスなお芝居。
そんじょそこらのくだらなさではありません。
一級品です。

天才ブルースカイひきいるダックスープ公演!
今週『金曜日』からではなく『土曜日』からです!
ぜひお待ちしております!

「透明感のある人間」
☆作・演出 ブルースカイ
☆場所 下北沢・ザ・スズナリ
☆料金 3800円
☆日時
7月3日(土) 19時半~
4日(日) 15時~
    19時半~
5日(月) 19時半~
6日(火) 19時半~
7日(水) 19時半~
8日(木) 15時~
19時半~
9日(金) 19時半~
10日(土) 15時~
    19時半~
11日(日) 14時~
   18時~

堺沢隆史
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no title

月二回の猫騙し辞典。
そのお題の連絡がこない。
誰?次のお題者は?
てことで全員へ一斉送信。

一分以内に返信四件。

『西永氏』
あ、村ボンだね。
言います。

『秋枝氏』
ボンやな。

『井澤氏』
ボンじゃね?

『村ボンこと村木氏』
俺だっけ?

ははは。
なんか嬉しくなったわ。

お帰りなさいは始まりの雫


稽古後、どうしても飲みたくなり共演者に「飲みに行かない?」と誘うもあっけなくふられる。
大学一年の時に会って三日で告白した女の子に「なんで?」と、言われた時なみのあっけなさだ。
まぁいい。
人それぞれ事情はあるものだ。


そんな気持ちで帰宅中、不意に猫☆魂劇団員小島登場。彼は本番を終え帰宅中。
なんだこのタイミング…。

そして二人で居酒屋へ。
「電車賃しかないんですよ」という彼は、全くの遠慮を見せずグラスを空けていく。
いや本当は凄い遠慮してましたけどね。
やっぱり劇団員は好きだ。
彼の真っすぐな想いと情熱が、自分の悩みを吹き飛ばしてくれる。
明日から頑張ろう。
そう思った時には終電はなくなっていた…。

どうするべきか悩みある男に連絡してみる。
すると偶然その男はオトコトバ相方久郷清宅にいるとのこと。

阿佐ヶ谷か~。
手持ち四千円。
「お兄さん三千円でマッサージいかが?(カタコトで)」
……。
勢いでタクシーを止める。

久郷清宅にて久しぶりに会うその男と三人で飲む。
テンションが上がるのを抑えられない。
こんな楽しい夜はいつまでも続けばいいのにと思いながら眠りに着く。
だって眠いから。
久郷清はサッカーの試合に夢中だ。
よし。ほっておこう。

想えば叶う。
その想いを持続させるには、たまにはこんな夜も必要だ。

『ネコ騙し辞典~か:顔 』

その瞬間は唐突に訪れた。
偶然であったのか、必然だったのか、ドアをノックする音が始まりだったのは間違いないだろう。


『はーい』

時刻は深夜2時を少しまわったところ。こんな時間に訪れる訪問者に心当たりも見当もない。

『ドンドンドン』
ノックの音が規則的に聞こえてくる。

『なんですかー?』
ノックの音がやむ。
ドアごしに初めて声が聞こえる。男の声だ。

『夜遅くすみません』

低く少しかすれた声。
なんとなく聞いたことがあるような気がする。
その声が不思議と警戒心をゆるめてくる。
ドアまでの道すがら記憶を探るが思い当たる人間が浮かんでこない。
「誰だ。この声」
ドアノブに手をかけ力をこめるとそのすき間から男の顔が現れる。

『なんです…』

一瞬時間が止まる。誰かに心臓をわし掴みされ無理矢理止められたような。
出かかった言葉が喉に詰まり息苦しさを覚える。
開いた瞳孔が閉じ方を忘れてきた。
こぼれるように落ちる言葉。

『…え?』

相手の男が同じ言葉を繰り返す。
『夜遅くすみません』
『なんで?』
なにもわからない…。
男の口が動く。ゆっくりと。
『あなたにどうしても会いたくて』

向かいに立つ男は、自分と全く同じ顔をしている。

とっさに閉めようとしたドアに男が靴をねじ込み喋りだす。

『ちょっと待ってくださいよ。僕はあなたを探していたんですよ』
男が体をドアのすき間から滑らせるように入れてくる。
『話をしましょう』
そう言って靴を脱ぎ部屋にあがってくる。
それを目でおいながらなんとか言葉をはっする。
『なんなんだお前は』
体は依然動かない。固まったまま。
喉の乾きがひどい。

『そんなところにいないで座ってください。まぁここはあなたの家ですけど』
男の落ち着きが、自分に恐怖を植え付けていく。
「なんなんだこれは。意味がわからない」
混乱する頭で必死で考える。なにがどうなっているのか。
「なぜこの男は、自分と同じ顔をしているんだ」
自分の顔をしている男と会話をする違和感が、全身の感覚を麻痺させていく。

『誰なんだお前は』
わからないが黙っていてはまずい。

『座ってください』
『誰だ!』
男が口元で笑う。
『僕は、あなたですよ』

よくないことが起こる。
それはわかる。
ただそれがなんなのかはまだわからない。
あとどれくらい時間があるのか。
同じ顔をしたもう一人の自分。
震える手を見ながらほんの少し笑みがこぼれた。

男の向かいに座る。それを合図に男が喋りだす。
『さぁ話しをしましょう』
一つだけ聞いておこう。
『その前に教えてほしい』
『何を?』
『なにしにここに来たんだ』
『わかってるでしょう?』
聞きたくない。その言葉を。ただ自然と口が動く。
『言ってくれ』
男の笑みが消える。

『あなたと代わりに来たんですよ』

やっぱりそうか。
てか、こんなこと、本当にありなのか…。

『ビールでも飲もうか?』
手の震えは止まっている。
『いいですね』
缶ビールを二本手に男と向かい合う。
同じ顔をした自分と。

『あんたの言うとおりだ』
『なにが?』

『ゆっくり話しをしよう』

記憶が薄れ、視界がぼやけていく。
そして深い闇が二人の自分を包みこんでいく。


ドアをノックする音で目を覚ます。
「夢か…」
嫌な夢だ。全身に汗をかいている。

ドアのノック音。

『はーい』
ドアを開ける。
そこには一人の男が立っている。
『朝早くすみません』
男が喋り終わる前に自然と言葉がこぼれる。
『あれ?どっかで会ったことありません?』
男の顔に見覚えがある。よく知っているような、身近にいたような、それが誰なのかだけがすっぽりと抜け落ちている。
ただ、この顔は知っている。

『いえ、初めてだと思いますが』
男が表情を変えず言う。
『そうですか。すみません』
勘違いだろうか。そうは思えない。
なにかがひっかかる。
目の前に立つ男に。

『いえ、とんでもないです』
男が笑う。その顔も知っている。
とりあえず話しかけてみる。
『なんですか?』
『いえ、確認で来ただけなんでもう大丈夫です』
『確認?』
『ええ。それでは』
それだけ言って男が去っていく。
なんだったんだ。よくわからない。
男の顔。会話。
なにかがおかしい。
違和感。
気にしすぎか。

ふと鏡に目をやる。
そこに写る自分の顔。
『え?』
そこには自分が写っている。
『誰だ?』
写る自分の顔。
『なんだこの顔…』
自分の顔。
『これが…自分の顔?』

no title

一本の電話がきた。
小型機から聞こえる声に世界がひっくり返る。
マジか。
心臓が少しドキドキしてくる。
それはもちろんワクワクの。
笑みがこぼれる。
向こうには見えないのに。

『全部失って、これだけが残ったんだよ』

重みが違う。
救いのない孤独と、気が狂うほどの苦悩、その先にある一つの答え。
純度百パーの言葉。
えぐるように突き刺さってきた。
その痛みに体が震えてくる。

『待ってます』

いつだって待ってたんですよ。
明日からはもう少しきつく結び直そう。
自分の心を。
あなたの気持ちに恥じないために。

たまには心から嬉しいと思えることもある。

もう寝よう。
こんな時間だ。

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